1903–1904年
62〜64歳頃

国会議事堂、霧の効果

画家 クロード・モネ
The Houses of Parliament (Effect of Fog) / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
ロンドンの国会議事堂を、輪郭りんかくの明確な建築ではなく、霧の中に浮かぶ青い影として描いた。建物の形より、霧、川、光によって見え方が変わることが主題になる。

何が描かれているか

塔と建物が青紫の影として立ち、手前のテムズ川には小舟が浮かぶ。
灰色の霧の中に橙色の光と反射が入り、議事堂の縦線と水面の横方向の筆触が対比する。

作品の見どころ

霧は景色を消すだけでなく、青、灰、橙色を一つの空気へまとめる。
塔の輪郭を探し、それがどこで背景へ溶けるかを見ると、建物と天候の主従が逆転していることが分かる。まず中央の国会議事堂の輪郭を探し、塔から水面の反射へ縦に視線を下ろす。建物は細部まで見えず、空と川の色の差によってだけ姿を保つ。近くでは紫、青、橙の筆触が重なり、離れると霧の中の一場面へまとまる。輪郭の曖昧さと、反射の強い縦線が同時に画面を支えるところを見たい。画面の上下で似た色が反復するため、空と川の境目も意識して見比べたい。

制作背景

連作れんさくは1899~1901年のロンドン滞在中の観察を基にするが、現地の一瞬だけで完成したものではない。モネはジヴェルニーで1903年まで調整を続け、1904年に連作を展示した。
カンヴァスに油彩ゆさい、メトロポリタン美術館所蔵。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
メトロポリタン美術館
目録
56.135.6

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品ページ2026-09-08 確認)
画像:Claude Monet国会議事堂、霧の効果》/Claude Monet, The Metropolitan Museum of Art, CC0.
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-08 確認)
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