古代ギリシャ神話で金羊毛を探しに出た英雄たち、アルゴナウタイの帰還を描く。
何が描かれているか
古代ギリシャ神話で金羊毛を探しに出た英雄たち、アルゴナウタイの帰還を描く。海辺には多くの人物が集まり、船や建築が重なる。ひとりの英雄の活躍だけを切り取るのではなく、長い旅を終えた集団を大きな群像として見せる。題名の「帰還」を手がかりに、誰がどちらへ進み、どの姿が立ち止まっているかを探したい。
作品の見どころ
画面は横に広く、人物、船、岸の形が何層にも並ぶ。近くの衣装や持ち物を見た後、遠くの海へ視線を移すと、人の密度と開けた空間の差が分かる。色の強い部分と淡い部分が混在し、視線は一箇所に止まらない。大きな歴史画を一度に読み切る必要はなく、群れの中で人物同士がどう結び付くかを順に見るとよい。
制作背景
ギュスターヴ・モロー美術館は1891年頃に着手し、1897年に再び手を入れたと説明する。晩年に長く向き合った大作であり、単純に「1891年の完成作」とは呼べない。美術館の展示では上階の主要作品として紹介される。神話画の中心をひとりの主人公に絞らず、多くの形と人物を重ねる方法を、初期の《求婚者たち》と比べることもできる。
出典・画像について
画像:Gustave Moreau《アルゴナウタイの帰還》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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