1875~1876年
49歳頃

ヘラクレスとレルネーのヒュドラ

画家 ギュスターヴ・モロー →
Hercules and the Lernaean Hydra / シカゴ美術館
左に立つヘラクレスが、右で鎌かま首をもたげる多頭の怪物ヒュドラと対峙する。

何が描かれているか

左に立つヘラクレスが、右で鎌首をもたげる多頭の怪物ヒュドラと対峙する。これは彼に課された難業のひとつで、怪物の頭を切っても再び生えるとされる。足元には倒れた人々が横たわり、対決の危険が示される。英雄はまだ攻撃の動作に入らず、巨大な相手を見極めるように立つ。勝敗の前の一瞬を引き延ばした場面だ。

作品の見どころ

ヘラクレスの明るい体は暗い岩場から浮き上がり、怪物の曲がる首と対照を作る。ヒュドラの頭を一つずつ数えようとすると、からみ合った形が視線を迷わせる。下の遺体、上の空、両者の間の空間も見てみたい。数多くの細部を描き込みながら、主役の二つのシルエットははっきり保たれ、迫る危険が読み取りやすい。

制作背景

シカゴ美術館の研究資料は1875~76年の制作とし、1876年のサロンへの出品を記録する。油彩ゆさいによる大きな神話画で、古典的な英雄譚を装飾的かつ不穏な世界へ移している。倒れた人々が誰であるかを細かく特定するより、怪物の脅威を画面に置く役割に注目したい。似た神話画でも、モローが選んだのは激闘そのものではない。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
シカゴ美術館

出典・画像について

出典:シカゴ美術館 作品資料(2026-09-26 確認)
画像:Gustave Moreau《ヘラクレスとレルネーのヒュドラ》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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この画家について本で読む

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