何が描かれているか
険しい岩場で、若いオイディプスと人間の顔を持つ怪物スフィンクスが目を合わせる。スフィンクスは通りかかる者に謎を出し、答えられない者を死に至らせる。オイディプスはその謎に挑む人物だ。怪物は彼の体に爪をかけているが、二人は激しく動かない。戦いの結果より、答えを探す直前の緊張が画面を満たしている。
作品の見どころ
二人の顔は近く、視線がまっすぐぶつかる。怪物の大きな翼は画面の左を覆い、右の岩壁とともに人物を狭い場所へ閉じ込める。下には犠牲者の体が見え、この出会いの危険を伝える。暗い空、細く立つ杖、肌の明るさを順に見ると、動きの少ない姿勢からも物語の切迫感が生まれていることが分かる。
制作背景
メトロポリタン美術館は1864年の油彩画と記録する。同年のサロンに出品され、モローの名を広く知らしめた作品となった。古代神話を題材にしながら、謎そのものを文字で説明せず、向き合う二つの姿へ集中させている。怪物を単なる敵として描くだけでなく、人間と同じ高さに顔を置いた構図が、この絵を忘れがたいものにする。
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この画家について本で読む
ギュスターヴ・モロー 〈自作を語る画文集〉夢を集める人
ギュスターヴ・モロー 画・文/藤田尊潮 訳編 / 八坂書房
モロー自身の言葉と作品を収めた画文集。神話や聖書の題材に向き合った画家の考えを読む手がかり。
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