岩につながれたプロメテウスが、遠くを見つめるように座る。
何が描かれているか
岩につながれたプロメテウスが、遠くを見つめるように座る。人間に火を与えたため、ゼウスに罰せられ、鳥に肝臓を食べられるという神話が題材だ。絵には巨大な鳥の姿もあるが、主人公は身をよじって逃げるのではなく、苦痛を耐えるように見える。裸の体と険しい岩が向き合い、孤独な時間が長く続くことを感じさせる。
作品の見どころ
縦長の画面に岩壁が立ち、人物の体を上へ押し上げるような構図になっている。肌の明るさは周囲の暗い石と対照的で、顔と胸へ目が集まる。鳥の翼や鉤爪に注目した後、プロメテウス自身の静かな姿勢へ戻ると、残酷な物語の描き方が変わって見える。英雄の抵抗を大きな身振りではなく、耐え続ける姿で表した作品だ。
制作背景
モロー美術館は1868年の油彩画として記録する。古代神話は19世紀の画家たちに繰り返し描かれたが、モローはその中でも装飾と精神的な緊張を重ねることに関心を向けた。プロメテウスが何を考えているかまでは絵から断定できない。神話の筋を知った上で、岩、鳥、人物の目線がどう配置されたかを比べてみたい。
出典・画像について
画像:Gustave Moreau《プロメテウス》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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