1876年
50歳頃

ヘロデ王の前で踊るサロメ

画家 ギュスターヴ・モロー →
Salome Dancing before Herod / ハマー美術館
豪華な宮殿の広間で、サロメが片腕を高く上げて踊る。

何が描かれているか

豪華な宮殿の広間で、サロメが片腕を高く上げて踊る。奥の玉座にはヘロデ王が座り、周りには見守る人々がいる。新約聖書に由来する物語を描くが、物語の結末である洗礼者せんれいしゃヨハネの死はここには現れない。視線を集める踊りの一場面を、彫刻、柱、宝石のような装飾で満たした作品である。

作品の見どころ

サロメの体は比較的小さく、巨大な建築と細かな模様に包まれる。床から柱へ、さらに暗い奥へ視線を進めると、広間がいくつもの層に分かれて見える。衣装や金色の細部を追う楽しさと、人物の表情が読み取りにくい距離感が同居する。画面を華やかさだけで受け止めず、奥行きと静けさも確かめたい。

制作背景

ハマー美術館は1876年の油彩ゆさい画と記録し、モローがこの構想のために多くの下絵を残したと説明する。古代や異文化の文様を組み合わせた舞台は、当時の一つの宮殿を考古学的に復元したものではない。サロメはモローが繰り返し取り上げた題材で、同じ1876年の水彩《出現》とは別の作品である。二点を並べると、踊りから幻視へ場面が変わる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
ハマー美術館

出典・画像について

出典:ハマー美術館 作品資料(2026-09-26 確認)
画像:Gustave Moreau《ヘロデ王の前で踊るサロメ》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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