1852年着手、1882年拡張(未完)
26歳頃

求婚者たち(未完)

画家 ギュスターヴ・モロー →
The Suitors / ギュスターヴ・モロー美術館
大勢の人物がひしめく広い室内で、帰還したオデュッセウスが求婚者たちの奥で弓を手にする。

何が描かれているか

大勢の人物がひしめく広い室内で、帰還したオデュッセウスが求婚者たちの奥で弓を手にする。妻ペネロペの留守に宮殿へ居座った男たちを討つ、ホメロスの『オデュッセイア』第22歌が題材である。絵の中には、神話の一場面にしてはあまりに多くの姿が重なり、誰がどこにいるのか、すぐには見通せない。

作品の見どころ

画面を横にたどると、柱や階段の間を人物の身振りが埋め、中央の動きが周囲へ広がる。弓を引く英雄だけを目で追うのではなく、逃げる者、倒れた者、見守る者の間隔も確かめたい。建築の線は奥行きを作る一方、細かな装飾と群像が手前へ押し寄せてくる。ひとつの出来事を壮大な舞台として組み立てた画面だ。

制作背景

モロー美術館によると、制作は1852年に始まり、1882年に画面を大きくしたが、完成には至らなかった。長い年月を隔てて手を入れたため、ひとつの制作年だけで説明することはできない。完成作として滑らかに見せるより、構想を拡張し続けた痕跡を含む作品として眺めたい。同館は女神アテナや歌い手ペミオスにも言及する。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ギュスターヴ・モロー美術館

出典・画像について

画像:Gustave Moreau《求婚者たち(未完)》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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