何が描かれているか
森の中で華やかな衣装の女性たちが一角獣と寄り添う。左には立つ女性、右には横たわる女性がおり、白い動物たちが間を結ぶ。遠くには水辺や船も見える。狩りや戦いの物語ではなく、人と幻獣が同じ場所で静かに過ごす場面だ。まず女性の姿を追い、その後で何頭の一角獣がどこにいるかを探すと、画面が少しずつ開ける。
作品の見どころ
衣装の刺繍、宝石、草花の細部が画面全体に広がり、人物と自然の境がゆるやかにつながる。大きな木の幹は左右の場面を分けるようでいて、枝葉は上で一つになる。淡い白の一角獣は色の濃い布と対照になり、目をあちこちへ導く。額縁ではなく絵の中に描かれた境界まで見える画像で、表面の繊細な色の重なりを確かめたい。
制作背景
モロー美術館は制作年を確定せず、1887年7月には画家のアトリエで見られたと記録する。そのためここでは「1887年までに制作」と示した。同館は中世の《貴婦人と一角獣》のタピスリーとの関係にも触れる。中世の図像をそのまま写すのではなく、船や庭園、異なる姿の女性を加えた想像の世界として描いている。
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この画家について本で読む
ギュスターヴ・モロー 〈自作を語る画文集〉夢を集める人
ギュスターヴ・モロー 画・文/藤田尊潮 訳編 / 八坂書房
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