1891年着手、1893年完成
50〜52歳頃

桜の木

画家 ベルト・モリゾ →
Le Cerisier / マルモッタン・モネ美術館
果実を摘む少女と籠を差し出す少女を、大きな縦長の画面に組み合わせた。1891年に着手し、習作しゅうさくを重ねて完成した晩年の大作。

何が描かれているか

梯子はしごの上の少女が枝へ手を伸ばし、下の少女が籠を高く差し出す。果実の赤い点が葉の緑に散り、二人の淡い服が画面を縦につなぐ。
梯子の斜めの脚を追うと、下の籠から上の手へ自然に目が上がる。木の幹と葉は画面の端まで続き、庭の広さより二人の動作を近くで見せる構図こうずである。

作品の見どころ

ぱっと見には一瞬の果実摘みに見えるが、マルモッタン・モネ美術館の記録は、複数の素描そびょうと小さな油彩ゆさい習作を重ねた制作過程を伝える。
二人の腕、籠の持ち手、梯子の線が異なる向きに交差する。その周りを青緑と桃色の長い筆の跡が包み、輪郭りんかくを固めすぎずに身体の動きを保つ。右端の木も作品に含まれ、外側の壁や額とは分けて見る。

制作背景

所蔵番号6020のマルモッタン版を紹介する。同館によれば1891年にメジーで着手し、パリで約2年後に完成した。最初は娘ジュリーと姪ジャンニーにポーズを取らせ、後には職業モデルも使ったという。
《桜の木》には複数の大作版や習作がある。ここでの画像と寸法は縦154センチの同館版に合わせ、別の大作や素描を同じ一枚として扱わない。初公開はモリゾの死後、1896年の回顧展だったと同館は記録する。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
マルモッタン・モネ美術館
目録番号
6020
寸法
154 × 84 cm

出典・画像について

画像:Berthe Morisot《桜の木》/Jean-Pierre Dalbéra, “Le Cerisier” de Berthe Morisot — CC BY 2.0
画像の出典 / CC BY 2.0 / 撮影者の写真ページ(画像情報:2026-10-01 確認)
写真: Jean-Pierre Dalbéra。全景を等比縮小。
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