洗濯物を干す
画家 ベルト・モリゾ →Hanging the Laundry out to Dry / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
洗濯物を干す人々を、広い草地と遠くの町まで含めて描く。人物を小さく置いた風景画が、身近な仕事の場面にもなる。
何が描かれているか
手前の柵から奥の家へ向かって、何本もの洗濯綱が張られている。白い布の間に人の姿が点在し、中央には車輪のある荷車が見える。
視線を上へ移すと、家の向こうに草地と遠い町が続く。地平線近くには煙突と煙らしい灰色の筆触があり、庭だけで完結しない広がりを感じさせる。
作品の見どころ
洗濯物の白は、空の雲や家の壁の白と呼応する。一本ずつ輪郭を閉じるより、短い明るい筆の跡を重ねて布の揺れと日差しを示している。
人の顔を見分けるほど近寄る構図ではなく、綱と柵、家、遠景の水平線が仕事場の広さを作る。画面の下端に置かれた柵を起点に奥を見ると、足元から町まで視線が移る。左下の署名も残した全景を見たい。
制作背景
所蔵館は1875年の油彩、目録番号1985.64.28と記録する。出品歴には1876年の第2回印象派展、作品番号175が記されている。
すでに収録されている《ロリアンの港》は水辺の人物、《蝶を追う》は庭で遊ぶ家族を主題にする。この絵を加えると、モリゾが人の働く場所も風景とともに描いたことが見える。ただし個々の人物の身元や職業は画面だけから決めない。
出典・画像について
画像:Berthe Morisot《洗濯物を干す》/Courtesy National Gallery of Art, Washington — CC0 1.0
Open Access/CC0。全景を等比縮小しました。
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