鏡の前の女性を、白、灰色、淡い桃色の筆触で包む。輪郭を固定せず、光の中で人物と室内を溶け合わせた。
何が描かれているか
女性が鏡の前に座り、上半身を少し前へ傾けながら片手を髪へ添える。
白と銀灰色の室内に、花や身支度の道具がかすかに見える。女性は背を向け気味に座り、鏡の中にも顔の全体は示されない。髪へ添えた腕と背中の曲線が、白と銀灰色の室内から姿勢を読み取る手掛かりになる。
作品の見どころ
人物、鏡、壁の境界を薄い筆触で行き来し、反射する光を画面全体へ広げる。
淡い色だけでなく、髪やリボンの暗い線を置いて姿勢を支える。鏡の反射と壁の境目を明確な線で閉じないため、人物と背景が同じ明るさの中で揺れて見える。花や道具の形を探すと、少ない暗色が画面の要所を支えている。
制作背景
1875〜1880年の作。所蔵館は、舞踏会から戻った女性が髪をほどく場面と説明している。
1880年の第5回印象派展に出品された。鏡に映る顔をはっきり描かず、人物と室内を柔らかな筆の跡で結んでいる。制作年は1875〜1880年と幅を残す。舞踏会後という所蔵館の説明と1880年の出品歴を手掛かりにしつつ、女性の感情や身元を画面だけから決めない。
出典・画像について
画像:Berthe Morisot《化粧する女性》/化粧する女性 — Berthe Morisot / Art Institute of Chicago Open Access
CC0/Open Accessとして提供された画像です。
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