庭の椅子で編み物をする女性を描く。顔の細部を省いた筆触と、服・花・小道に散る色が目を引く。
何が描かれているか
帽子をかぶった若い女性が庭の椅子に座り、手元へ目を落としている。膝の布に両手を添え、右には空の椅子、背後には花の茂みと小道が見える。
白い服には桃色や薄い青が交じり、帽子の黄土色が緑の庭から姿を浮かび上がらせる。空の椅子を残すことで、人物の横にも庭の広がりが生まれる。
作品の見どころ
目や口を細かく描かずとも、下を向く頭と近づいた手から編み物の動作が読み取れる。顔と服を結ぶ輪郭は部分によって薄くなり、周囲の明るさとつながる。
椅子の脚や小道は速い線で示され、花は桃色の短い筆触で置かれる。手元の赤い布と花を見比べると、離れた場所に同じ色を配して画面をつないでいるのが分かる。
制作背景
メトロポリタン美術館は1883年頃の油彩、目録番号67.187.89と記録する。モリゾは1881〜84年の夏をブージヴァルで過ごし、同館はこの絵もそこで描いた可能性を示す。
同館はモデルが娘の乳母だった可能性にも触れるが、確定した身元ではない。庭という私的な場所でも、衣服の流行、小道、椅子を手掛かりに当時の日常を具体的に描いている。額縁外の黒い撮影部分は作品の一部ではない。
出典・画像について
画像:Berthe Morisot《編み物をする若い女性》/The Metropolitan Museum of Art — CC0 1.0
Open Access/CC0。作品外の額縁と撮影背景のみ除去しました。
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