1905年
45歳頃

百合の聖母

画家 アルフォンス・ミュシャ →
Madonna of the Lilies / ミュシャ・トラスト・コレクション
百合の花に囲まれた聖母の姿が、上方に淡く現れています。その下には民族衣装を着た若い女性が座り、葉で作った輪を持っています。

何が描かれているか

百合の花に囲まれた聖母の姿が、上方に淡く現れています。その下には民族衣装を着た若い女性が座り、葉で作った輪を持っています。二人は同じ画面にいますが、身体の見え方と置かれた高さが違います。
上の聖母は、花や光に溶けるような姿です。下の女性は衣や身体の重さがはっきり見えます。顔から衣、花へ目を移すと、地上の人物と天上の幻影を対比した構成が読み取れます。

作品の見どころ

財団は、百合を純潔、女性が持つツタの輪を記憶のしるしとして説明しています。植物の形をよく見た後でこの解釈へ戻ると、花や葉が背景の飾り以上の役割を持つことが分かります。
縦長の画面を上から下へ読むと、聖母、百合、座る女性が続きます。《四季》の装飾パネルと比べると、女性と植物という共通の題材が、ここでは宗教的な主題を表すために使われています。

制作背景

一九〇五年、カンヴァスにテンペラで描かれた最終版です。テンペラは、顔料がんりょうを結合材と混ぜて使う絵の具です。紙へ印刷する石版画はんがとは、支持体も作り方も違います。
もとは一九〇二年に依頼された、エルサレムの聖母に捧ささげる教会の装飾に関係します。財団は、計画が中止され、理由は不明としています。教会に完成した壁画とは扱いません。

作品情報

材質・技法
テンペラ・カンヴァス

出典・画像について

画像:Alphonse Mucha《百合の聖母》/Alphonse Mucha; Wikimedia Commons 忠実な平面複製
画像の出典 / PDM(画像情報:2026-10-01 確認)
Commonsの忠実な平面複製のPDM表示を採用。複製画像の扱いには法域差があり、ミュシャ財団の配布画像には別のライセンス案内があります。
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