傷ついた目の自画像
画家 エドヴァルド・ムンク →Self-Portrait with Afflicted Eye / ムンク美術館(MUNCH、オスロ)
濃く塗り込めず、線と空いた地で自分を見つめる。1930年の視力の変化と結びつけて論じられる晩年の自画像です。
何が描かれているか
帽子をかぶり、上着を着たムンクの上半身が、淡い地の上に浮かびます。片方の頬から目の周囲に線が重なり、口や鼻、胸の前で重ねた手も細い輪郭で示されます。背景はほとんど塗り込まれず、人物と周囲の境界が途切れる場所もあります。完成した肖像のような厚い色の面を期待すると、その空白がかえって目に入ります。
作品の見どころ
輪郭の線、にじんだ色、何も描かれていない地を順に見比べてみてください。所蔵館は、下塗りされた麻のカンヴァスに描いた作品を素描に分類しています。木炭と油彩に加え、クレヨンの使用には疑問符が付いています。少ない手段で形を立ち上げる描き方に注目すると、強い色のうねりで知られるムンクの別の表現に出会えます。
制作背景
Metの解説は、この無署名の作品を1930年の視力障害と関連づけ、年代を「1930年頃」としています。Moderna Museetの年譜も、その年の五月に右目の血管から出血したと記します。Metは療養中に、目の内部で生じる視覚の現象を水彩などで記録したと説明します。ただし、この自画像の線を症状の忠実な図解や、恐怖の直接の証拠と断定することはできません。
年代・技法と画像について
所蔵館は1930年、Metの2016年解説は1930年頃。無署名で正確な制作日には幅があります。クレヨン使用にも疑問符があり、病状や作者の心理を画面だけから診断しません。画像は所蔵館が定める図鑑・教育出版への複製許可に基づき掲載しています。
作品情報
材質・技法
カンヴァスに木炭・油彩・クレヨン(クレヨンは所蔵館も疑問符付き)
目録番号
MM.M.00207(Woll M 1674)
出典・画像について
画像:エドヴァルド・ムンク《傷ついた目の自画像》/Edvard Munch, Self-Portrait with Afflicted Eye (1930). Photo © Munchmuseet / Ove Kvavik. CC BY 4.0.
MUNCHが定める、商用を含む図鑑・辞典等の電子出版への複製許可に基づき、作品を解説するために掲載しています。作品本体を世界共通のパブリックドメインとは表示していません。元画像の全体と四辺・ICCを保持して表示用に縮小しました。
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