1923〜1924年
59〜61歳

夜のさすらい人(自画像)

画家 エドヴァルド・ムンク →
Nattevandreren / The Night Wanderer / MUNCH(オスロ)
前へ傾かしく身体と、背後の窓や柱の直線を見比べる自画像。

何が描かれているか

暗い上着を着たムンクが、上体と頭を少し前へ傾けている。顔の片側は黄や赤で明るく、目の周りには濃い影が残る。右にはピアノの鍵盤が斜めに奥へ伸びる。
背後の窓は青く、柱や窓枠の明るい線が室内を区切る。顔、白い襟、柱が光を受ける一方、服と床は深い色へ沈む。人物だけでなく、部屋が身体をどう囲むかも見たい。

作品の見どころ

まず傾いた頭から左肩へ、輪郭りんかくをたどってみよう。大きく迫る身体は、背後の窓枠の直線と違う方向へ動く。立ち姿のわずかな傾きでも、狭い室内の静けさに揺れが生まれる。
次にピアノの白い鍵から柱、顔へ視線を戻す。離れた明るい部分が、暗い服を挟んで呼応する。顔の表情を一つの感情へ決めるより、筆触や色の境目が残す不安定さを追いたい。

制作背景

所蔵館はこの絵を1923〜1924年の油彩ゆさいで、画中人物はムンク本人と記録する。エーケリー時代の室内を舞台にした自画像であり、若い時期の煙草を持つ姿とは配置も光も異なる。
モダーナ美術館は、空の部屋が閉じ込めるように見えることを、孤独や落ち着かなさと結びつける。ただし姿勢や題名だけで不眠や病気を診断せず、館の解釈と画面の観察を分けたい。
不眠や孤独は解釈として扱います
所蔵館は画中人物をムンク本人と記録しています。題名や姿勢を、制作時の精神状態や病気を直接証明するものとは扱いません。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
MUNCH(オスロ)
目録番号
MM.M.00589

出典・画像について

画像:Edvard Munch《夜のさすらい人(自画像)》/Edvard Munch / Photo © Munchmuseet / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark / PD-Art(画像情報:2026-10-02 確認)
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