目を上げるマリアの周囲を、光が薄く包んでいます。たくさんの人物を描き込まなくても、白い衣と青い布だけで、空へ浮かぶ姿を見せています。
何が描かれているか
若い聖母が白い衣と青いマントをまとい、胸の前で手を合わせています。足元には雲と小さな天使たちが集まっています。マリア自身が原罪を免れて宿ったという信仰を表す、「無原罪の御宿り」の絵です。
作品の見どころ
背景は細かな建物で埋められず、光が人物の周囲へ広がっています。青い布の暗い部分と、白い衣の明るい面を行き来すると、輪郭が硬く閉じず、空気の中へなじむように感じられます。顔を見上げる角度も、静かな動きをつくっています。
制作背景
プラド美術館は1665年頃としています。「エル・エスコリアル」は、後の収蔵に由来する通称です。同館の《ロス・ベネラブレスの無原罪の御宿り》と見比べると、同じ主題を、一つの決まった姿だけで描かなかったことが分かります。
出典・画像について
画像:Bartolomé Esteban Murillo《エル・エスコリアルの無原罪の御宿り》/エル・エスコリアルの無原罪の御宿り — Bartolomé Esteban Murillo; Bartolomé Esteban Murillo / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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