十字架のキリストが片腕を伸ばし、聖フランチェスコを抱き寄せています。遠くから祈る姿ではなく、互いの体が触れるほど近い出会いです。
何が描かれているか
聖フランチェスコが十字架のキリストへ腕を回し、キリストも片腕を伸ばして応えています。二人の顔は近づき、十字架の前で隔たりが保たれる構図とは違っています。祈りや信仰が、体を寄せる姿として描かれています。
作品の見どころ
明るい肌と、粗い修道服の茶色が重なっています。腕の行く先を目で追うと、視線は二人の間へ戻ってきます。下の小さな天使や本、足元の球体にも気づくと、この近い抱擁を囲む、もう一つの広がりが見えてきます。
制作背景
1668〜69年頃、セビーリャのカプチン会修道院のために描いた作品です。《聖フスタと聖ルフィーナ》や《ナプキンの聖母》と合わせると、同じ修道院の仕事でも、街の守護、聖人の信仰、母子の近さへと、表現を変えていたことが分かります。
出典・画像について
画像:Bartolomé Esteban Murillo《十字架のキリストを抱く聖フランチェスコ》/十字架のキリストを抱く聖フランチェスコ — Bartolomé Esteban Murillo; Bartolomé Esteban Murillo / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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