本を読む手が止まり、椅子の人がこちらを見ます。足元の小さな犬まで一緒に描くことで、立派な聖職者の肖像にも、生活の近さが生まれています。
何が描かれているか
セビーリャ大聖堂の聖職者、フスティーノ・デ・ネーベの肖像です。本に指を挟んだまま顔を上げ、こちらを見ています。読むことを中断した直後のような手つきが、人物を固い記念像から遠ざけています。
作品の見どころ
黒い服の大きな面の中で、白い襟と手が明るく見えます。足元では、小さな犬が主人を見上げています。卓の上の時計や鈴まで見ると、身分を示すだけでなく、読書や人との応対がある部屋の様子が伝わってきます。
制作背景
1665年の作で、ネーベはムリーリョの支援者であり、友人でもありました。絵の銘文は、画家がこの肖像を贈ったことを伝えています。宗教画の注文を支えた人と画家との関係が、作品そのものの中へ残されています。
出典・画像について
画像:Bartolomé Esteban Murillo《フスティーノ・デ・ネーベの肖像》/フスティーノ・デ・ネーベの肖像 — Bartolomé Esteban Murillo; Sailko / Wikimedia Commons / CC BY 3.0
採用した配布画像を比例縮小して使用。拡大や色補正はしていません。額縁を含む現地撮影です。
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