石でできた楕円の枠の中から、若い画家がこちらを見ます。絵筆を見せなくても、光の当たる顔と落ち着いた姿が、自分をどう残したかったかを伝えます。
何が描かれているか
ムリーリョは黒い服を着て、体を少し横へ向けています。白い襟が暗い服から浮かび、顔に当たる光を受け止めています。背景は詳しく説明されず、視線と姿勢に目が集まります。
作品の見どころ
人物を囲む石の枠も、本物の額ではなく描かれたものです。欠けた角や厚みを見ると、壁に残る記念像のようにも感じられます。顔だけでなく、顔をどんな形に収めるかまで、自画像の表現になっています。
制作背景
ニューヨークのフリック・コレクションが所蔵し、共同開催の自画像展では1650〜55年頃とされました。約二十年後のロンドンの自画像と並べると、同じ楕円の枠が、手や画家の道具を加えた仕掛けへ変わることが分かります。
出典・画像について
画像:Bartolomé Esteban Murillo《若い頃の自画像》/若い頃の自画像 — Bartolomé Esteban Murillo; Bartolomé Murillo / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
採用した配布画像を比例縮小して使用。拡大や色補正はしていません。
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