自分を囲む石の枠から、片手がこちらへ出ているようです。顔を残すだけでなく、絵の中と外の境目まで試した、画家の自画像です。
何が描かれているか
ムリーリョは、架空の楕円の枠の中へ自分を描きました。右手だけは、その縁を越えて手前へ出ているように見えます。髪の生え際や口ひげも描き、若い頃の自画像とは違う年齢の顔を残しています。
作品の見どころ
手の下には、絵筆やパレット、紙など、画家の仕事を示すものが並びます。枠を眺めていた目が手に引き寄せられると、平らな絵であることを知っていても、一瞬、本当に厚みがあるように感じられます。
制作背景
所蔵館は1670年頃の作としています。下部の銘文は、自分の子どもたちの願いに応えて描いたことを伝えています。家族に残す顔と、絵を描く技術を持つ人としての姿が、一枚の中で結びついています。
出典・画像について
画像:Bartolomé Esteban Murillo《自画像》/自画像 — Bartolomé Esteban Murillo; Bartolomé Esteban Murillo / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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