この人の名前は、今も分かりません。それでも、手の本と机に並ぶ小さな品々から、関心の向いていた世界が見えてきます。
何が描かれているか
黒い帽子と毛皮の上着を着た男性が、装飾のある書物を持って座っています。机には小さな女性像と四枚の古銭。背後には、古代風の浮彫と木々の見える風景が広がっています。
作品の見どころ
本は祈りのための時祷書です。古代への関心を伝える品々のすぐそばに、キリスト教の信仰を示すものがある。黒い服から明るい手元へ目を移すと、顔を似せるだけではない肖像の働きが見えてきます。
制作背景
1523年頃、ローマへ行く前の作です。以前は聖職者や画家の知人の肖像と考えられましたが、所蔵館は現在、人物を特定していません。何を持っているかは確かめられても、持主の名前までは決められない。その違いを残して眺めたい一枚です。
出典・画像について
画像:Parmigianino《収集家の肖像》/収集家の肖像 — Parmigianino / Parmigianino / Public Domain Mark 1.0
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