金色の布と髪、石のように明るい肌。その精緻な美しさが、手にした刃物と同じ場所にあります。
何が描かれているか
古代ローマの伝説に登場するルクレティアです。性暴力を受けた後、自ら命を絶った人物として語られ、その死が王政打倒につながったと伝えられます。画家は、上を向く顔と胸元の刃物を、近くから捉えています。
作品の見どころ
まず、編み込まれた髪と、片肩から流れる衣を見比べてみてください。金のような色を細かく変え、肌だけを強く明るくしています。所蔵館は、この肌をアラバスターの彫刻のようだと表現しています。色と質感が違うものを、ぎりぎりまで近づけた半身像です。
制作背景
1539〜1540年頃の、画家の最晩年の作品です。物語の痛ましさを知ると、衣や肌の磨かれた表現との隔たりも感じられます。歴史上の出来事をそのまま目撃した場面ではなく、受け継がれたローマの物語をどう描くか、という絵として見ています。
出典・画像について
画像:Parmigianino《ルクレティア》/ルクレティア — Parmigianino / Parmigianino / Public Domain Mark 1.0
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