木陰の収穫を、多くの色点と入念な構図で描く。点描を試しながら、その自由さも問い直していた時期を伝える。
何が描かれているか
大きなリンゴの木の下で、人々が果実を集めている。棒を上へ向ける男性、地面で籠に手を伸ばす女性、右に立つ女性が、違う動作を見せる。中央の木の幹は画面を縦に分け、枝は上を広く覆う。奥には日差しのある畑や荷車が続く。前景の人物がいる木陰と、その向こうの明るい土地を見比べながら、収穫の場所をたどれる。
作品の見どころ
木陰は単純な暗色ではなく、青、赤、緑、紫などの細かな色の集まりで描かれている。草地にも色点が入り、離れて見ると光と影の差になる。点描の規則性を使いながら、点の形や方向は一様ではない。幹、服、草の違いを追うと、短い筆の跡がそれぞれの形に沿っている。人物の並びと色の細かな反復が、画面全体を結び付けている。
制作背景
1888年に完成したダラス美術館所蔵の作品。美術館の解説では、ピサロは素描や油彩の習作、水彩の構図案を準備した。同時期の手紙では点描に代わる方法も考えており、この絵は新しい技法を試す過程に位置付けられる。2014年には変色したニスが除かれた。本ページには、その修復後の色を示す画像を掲載している。
出典・画像について
画像:カミーユ・ピサロ《リンゴの収穫》/カミーユ・ピサロ / Dallas Museum of Art, Munger Fund / Wikimedia Commons
CommonsのPD-Art(パブリックドメイン作品の忠実な平面複製)表示に基づく画像です。複製写真の扱いは国・地域によって異なります。 2014年の修復後の画像です。
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