1895年(原版/掲載品は没後の刷り)
64〜65歳頃(原版制作時)

四人の水浴する女性

画家 カミーユ・ピサロ →
Four Bathers / メトロポリタン美術館
腕と背中の曲線を木々の陰へ重ね、水辺の人物と風景を一つの線の網に包む。

何が描かれているか

木々に囲まれた水辺に裸の女性たちがいる。手前では二人が腕を上げ、身体と腕の形が互いに重なる。左の奥にも人物が見え、頭上には濃い葉の茂みが覆いかぶさる。
題名は『四人の水浴する女性』。身体が重なるため、人数をすぐに数えるより、頭と腕のつながりをゆっくり追いたい。背景の明るい隙間と手前の暗い水面が、人々を囲む空間を作る。

作品の見どころ

肩から背中へ続く曲線と、枝葉を描く短く交差した線が対照をなす。水面には横向きの線が重なり、人物の下半身との境目を曖昧にする。同じ黒い線でも、方向が変わると質感が変わる。
技法はエッチングとドライポイントの併用。後者は金属へ針で直接傷を付ける方法で、溝の脇にできる細かなまくれもインクを含む。輪郭りんかくの柔らかな黒と、密集した背景の線を比べてみたい。

制作背景

原版の制作年は1895年。メトロポリタン美術館は、掲載品を全2状態のうち第2状態、そして没後の刷りと記録する。生前に完成した図柄から、後になって紙へ刷られた所蔵品である。
第2状態は2枚目の印刷という意味ではない。版が修正された段階を表す言葉である。具体的な刷り年は確認できないため、画家の年齢は原版を制作した1895年を基準に示している。

作品情報

技法・支持体
エッチング、ドライポイント/網目紙
版の状態・刷り
第2状態(全2状態)/没後の刷り
所蔵番号
26.46.11
版の寸法
21.9 × 17.7 cm

出典・画像について

画像:Camille Pissarro《四人の水浴する女性》/The Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0(画像情報:2026-10-02 確認)
所蔵館公開画像。提供画像の四辺と余白を保って縮小。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

絵画の見かた 西洋美術入門
池上 英洋 編著 / 新星出版社
名画の主題や技法を手がかりに、絵のどこを見ればよいかを学べる西洋絵画の入門書です。
楽天ブックスで見る →