何が描かれているか
二人の女性が畑で腰を深く曲げ、地面へ手を伸ばしている。左の女性は手前に大きく置かれ、丸い背中と腕が画面の下半分を占める。右の女性も、少し奥で同じように働く。
低い地平線の向こうには小さな木や盛り上がった形が並び、広い空が残される。遠い景色を細かく説明するより、手前の身体と畑の面を近くから見る構図が選ばれている。
作品の見どころ
二つの背中の曲線が並び、顔の表情がほとんど見えなくても、屈んだ姿勢の重さが伝わる。衣服のひだを追う長い線と、土や植物を描くもつれた短い線との違いにも注目したい。
線の下には粒状の灰色が重なり、身体と地面の明るさを細かく変えている。アクアチントによる面の調子に、エッチングの輪郭を組み合わせることで、二人の動きが背景から立ち上がる。
制作背景
1891年、亜鉛版にエッチングとアクアチントで制作した版画。ピサロは油彩だけでなく、紙の上でも農村の人々を繰り返し扱った。ここでは農婦の身体を画面の中心へ大きく置く。
掲載はワシントンの所蔵番号1972.68.3。同館の目録は版の状態を未記載とするため、第何状態かを推定しない。見える働きぶりから、二人の名前や作者の政治的意図を断定することもできない。