1871年
40〜41歳頃

クリスタル・パレス

画家 カミーユ・ピサロ
The Crystal Palace / シカゴ美術館
普仏戦争を避けて滞在したロンドン郊外を描く。近代的な水晶宮を遠景へ置き、日常の道路と新しい都市の印象を結んだ。

何が描かれているか

ロンドン郊外の道路に馬車と歩く人々が見え、家並みの向こうに水晶宮の一部が立つ。
近代的な巨大建築を中央へ誇示せず、日常の町並みの中へ置く。広い道路の両側に家と塀が続き、馬車や歩く人が行き交う。水晶宮は遠景の屋根越しに一部だけ見え、巨大な展示施設より、そこへ続く郊外の日常が前面に置かれる。

作品の見どころ

道の斜線と建物の並びが奥へ進み、遠景の水晶宮へ視線を運ぶ。
曇り空の柔らかな光を、灰色、緑、褐色かっしょくの短い筆触でつなぐ。道路の白っぽい面が手前から奥へ細くなり、建物の縁と電柱のような垂直線が距離を刻む。空と街を灰色だけにせず、淡い青、黄、緑を小さく置いて湿った光を作る。

制作背景

1871年作。普仏戦争を避けて家族とロンドンへ滞在した時期に描いた。
現在はシカゴ美術館所蔵。同館は作品と画像をOpen Accessで公開している。普仏戦争を避けたロンドン滞在中の作品だが、避難生活の感情を直接描いたとまでは言えない。見慣れない都市近郊を歩き、近代建築と住宅地が接する場所を観察した作品として見る。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
シカゴ美術館
目録番号
1972.1164

出典・画像について

出典:シカゴ美術館 作品研究2026-09-12 確認)
画像:Camille Pissarroクリスタル・パレス》/クリスタル・パレス — Camille Pissarro / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-12 確認)
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