雨のルーアン、ボワルデュー橋
画家 カミーユ・ピサロ →Pont Boieldieu in Rouen, Rainy Weather / オンタリオ美術館
橋、船、煙、岸辺の人々をホテルの窓から見渡す。晩年の都市連作にも、働く人と近代的な交通への関心が続く。
何が描かれているか
フランス北部のルーアンで、セーヌ川を渡るボワルデュー橋と、船が集まる岸辺を高い位置から描いている。橋の上には多くの人や車が行き交い、下では船が煙を上げる。対岸の建物は淡くかすみ、手前の岸には荷物や人々が見える。雨の天候の中で、橋を渡る流れと、港で働く動きが同じ画面に収められている。
作品の見どころ
橋は左上から右下へ斜めに走り、川の広がりと岸辺を結び付ける。橋桁の暗さ、石の橋脚の明るさ、水に映る色の違いを追うと、入り組んだ景色が読みやすくなる。大きく広がる白い煙は、奥の街の輪郭を隠す一方、手前の黒い船を際立たせる。人々は小さな筆の跡で表され、個々の顔よりも集団の密度や移動の様子が目に入る。
制作背景
オンタリオ美術館によれば、ピサロは1896年にルーアンのホテルの窓からこの作品を描いた。ボワルデュー橋を扱う連作の一枚である。当時の生活の拠点は農村のエラニーにあったが、都市へも制作に出かけていた。川、煙、交通、人々の仕事を合わせて見ると、晩年の街の絵も、農村画とは切り離されない日常生活への関心から理解できる。
出典・画像について
画像:カミーユ・ピサロ《雨のルーアン、ボワルデュー橋》/カミーユ・ピサロ / Art Gallery of Ontario, Gift of Reuben Wells Leonard Estate, 1937 / Wikimedia Commons
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