海辺で話す二人の女性、セント・トーマス
画家 カミーユ・ピサロ →Two Women Chatting by the Sea, St. Thomas / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
生まれ故郷の海辺と、道で話す二人を描いた初期作品。パリへ移った後も、カリブ海の風景を主題にしていた。
何が描かれているか
カリブ海のセント・トーマス島の海辺で、二人の女性が向かい合っている。一人は白い布を載せた平たい盆を頭に掲げ、もう一人は青い服を着て籠を腕に掛ける。手前の道から、ゆるく曲がる浜と遠くの丘へ視線が続く。水際にも小さな人影があり、海岸を行き来する暮らしの一場面として眺められる。
作品の見どころ
広い淡色の空に対して、手前の人物と茂みは濃く描かれ、二人の姿がはっきり浮かぶ。女性の青い服、赤い頭巾、白い衣服の違いを追うと、褐色の土地と穏やかな海にも目が向く。後年の細かな色の筆触とは異なり、人物の輪郭と大きな明暗が画面を支える。海だけでなく人々の生活も見る、若いピサロの出発点として比べたい。
制作背景
ピサロは1830年にこの島で生まれ、1855年にパリへ移った。画面左下には「パリ、1856年」という署名と年記があるため、島でその場を見ながら描いた絵とは断定できない。印象派の展覧会が始まるより前の作品であり、フランスでの農村画へ進む以前に、故郷の風景と働く人を描いていたことが分かる。
出典・画像について
画像:カミーユ・ピサロ《海辺で話す二人の女性、セント・トーマス》/Courtesy National Gallery of Art, Washington, Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon
所蔵館がCC0で提供する全景画像です。
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