顔だけが仕上がっている。体も衣も途中で止まったままだ。この絵は長らく、ミラノ公ルドヴィーコ・イル・モーロを描いたものだとされてきた。それが変わったのは1905年、修復で後世の加筆が取り除かれ、画面の下から楽譜を持つ手が現れたからである。誰なのかはいまも分からない。ミラノに残るレオナルドの板絵は、これ1点きりだ。
何が描かれているか
楽譜を手にした若い男の胸像。顔だけが仕上がっていて、体と衣は途中で止まっている。背景は暗く、何も描かれていない。
アンブロジアーナ絵画館は、研究者が強い明暗法と、顔立ちの彫刻のような硬さを指摘していると書く。楽譜を持つ手の描き込みの細かさも、特に目を引く部分として挙げられている。
作品の見どころ
ミラノに残ったレオナルドの板絵は、これ1点だけである(美術館の記述による)。長いあいだ、この絵はミラノ公ルドヴィーコ・イル・モーロの肖像だと考えられていた。
それが変わったのは1905年である。修復で後世の加筆が取り除かれ、画面の下の方から楽譜を持つ手が現れた。描かれているのが誰なのかは、いまも分かっていない。それでも、支配者ではなく音楽家だということだけは、絵の中から出てきた。
制作背景
制作年について、美術館の作品ページは何も書いていない。他の作品では必ず載っている項目が、この絵にはない。
美術館に入った経緯は、1637年のガレアッツォ・アルコナーティ伯の寄贈と見られている。「おそらく」と書かれていて、断定はされていない。この時、名高いアトランティコ手稿も一緒に贈られた。レオナルドの手稿の最大のまとまりと、板絵1枚が、同じ日にこの図書館へ入ったことになる。