1638年頃
40代半ば頃

アルカディアの牧人たち

画家 ニコラ・プッサン →
The Arcadian Shepherds / ルーヴル美術館
牧人たちが墓の碑文を読み、理想郷にある死を考える。

何が描かれているか

牧人たちが石の墓を囲み、「ET IN ARCADIA EGO」と刻まれた文字を読み取ろうとしている。背後の女性はそっと一人の肩に手を置く。アルカディアは理想の牧歌的な土地だが、そこにも墓がある。碑文が語る「私」を死そのものと読むか、亡くなった人と読むかで、この場面の受け止め方は変わる。

作品の見どころ

一人が碑文を指し、別の一人が身をかがめ、女性が静かに立つ。それぞれの姿勢の違いに目を向けると、墓を見つけて驚くというより、言葉の意味を考える時間が描かれているように見える。墓の直線と人物の曲がった身体が釣り合い、動きは抑えられる。遠い風景よりも、文字を読む手と視線が中心になる。

制作背景

ルーヴル美術館は1638年頃の作品と記録する。プッサンは同じ主題を以前にも描いており、初期版はイギリスのチャッツワースにある。このページの画像と年代はルーヴル版に対応する。ルーヴルは碑文の複数の読みと、美術史家パノフスキーの解釈を紹介している。一つの訳を唯一の正解として断定せず、静かな対話として見る。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ルーヴル美術館(INV 7300)

出典・画像について

出典:ルーヴル美術館 作品記録(2026-09-25 確認)
画像:Nicolas Poussin《アルカディアの牧人たち》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-25 確認)
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