牧人たちが墓の碑文を読み、理想郷にある死を考える。
何が描かれているか
牧人たちが石の墓を囲み、「ET IN ARCADIA EGO」と刻まれた文字を読み取ろうとしている。背後の女性はそっと一人の肩に手を置く。アルカディアは理想の牧歌的な土地だが、そこにも墓がある。碑文が語る「私」を死そのものと読むか、亡くなった人と読むかで、この場面の受け止め方は変わる。
作品の見どころ
一人が碑文を指し、別の一人が身をかがめ、女性が静かに立つ。それぞれの姿勢の違いに目を向けると、墓を見つけて驚くというより、言葉の意味を考える時間が描かれているように見える。墓の直線と人物の曲がった身体が釣り合い、動きは抑えられる。遠い風景よりも、文字を読む手と視線が中心になる。
制作背景
ルーヴル美術館は1638年頃の作品と記録する。プッサンは同じ主題を以前にも描いており、初期版はイギリスのチャッツワースにある。このページの画像と年代はルーヴル版に対応する。ルーヴルは碑文の複数の読みと、美術史家パノフスキーの解釈を紹介している。一つの訳を唯一の正解として断定せず、静かな対話として見る。
出典・画像について
画像:Nicolas Poussin《アルカディアの牧人たち》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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