聖餐(『七つの秘跡』第一連作)
画家 ニコラ・プッサン →Eucharist (First Series of the Seven Sacraments) / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
暗い室内で、光と手の動きをたどると、食事が信仰の儀式へ変わる瞬間が見えてくる。
何が描かれているか
暗い部屋で、キリストと弟子たちが食卓を囲んでいる。中央のキリストはパンとワインの杯を持ち、もう一方の手を上げる。最後の晩餐を通して、カトリックの聖餐という儀式を表した絵だ。
弟子たちは椅子に座るのではなく、古代ローマの食事用の寝台に身を寄せている。宗教的な場面に古代の暮らしを重ねることで、絵の舞台に独特の落ち着きが生まれている。
作品の見どころ
まず中央の上にある灯りと、左手前のろうそくを探してみよう。光が顔や衣服、床に届く範囲を追うと、広い部屋の暗さの中で、人物の輪郭が少しずつ浮かび上がってくる。
左右へ広がる弟子たちの手にも注目したい。祈るような手や中央へ向かう視線が、静かな画面に細かな動きを与える。奥の戸口に見える人影は、この整った集まりの外へ動いている。
制作背景
1637~1640年頃の作品で、収集家カッシアーノ・ダル・ポッツォが注文した『七つの秘跡』の第一連作に属する。七つの儀式を、それぞれ独立した絵で表す計画だった。
プッサンは後に別の注文主のためにも同じ七つの主題を描いた。本作を見るときは、食事の物語だけでなく、光と人物配置によって一つの儀式を伝える工夫を確かめてみよう。
画像について
全図画像は710×560ピクセルです。構図は確認できますが、拡大した細部の鮮明さには限界があります。
出典・画像について
画像:Nicolas Poussin《聖餐(『七つの秘跡』第一連作)》/聖餐(『七つの秘跡』第一連作) — Nicolas Poussin / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の忠実複製。複製の扱いは国・地域で異なります。
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