盲目の巨人オリオンが少年に導かれ、日の出へ向かう。
何が描かれているか
盲目になった巨人オリオンが、少年ケダリオンを肩に乗せ、日の出の方へ歩いている。少年が道を教え、昇る太陽の光がオリオンの視力を戻すという古代の物語に基づく。巨人は広い風景の中を進み、空の雲には女神ディアナの姿もある。人間より大きな身体でありながら、オリオンには誰かの案内が必要だ。
作品の見どころ
手前の巨人から遠くの空へ視線を動かすと、旅の行き先が風景の中に広がる。肩の上の小さな案内役と巨大なオリオンを比べると、身体の大きさだけでは自分の道を見つけられないことが分かる。雲の中のディアナはすぐには見つけにくい。神話の人物を山や木々、空と一緒に見せることで、物語の舞台そのものが大きな役割を担う。
制作背景
メトロポリタン美術館は1658年の作とし、古代の著述家ルキアノスの記述を典拠に挙げる。プッサンは後世の神話解説も読み、雲のディアナを加えたと同館は説明する。ディアナは月の力で地上の水気を集め、雨に変える存在として読まれる。神話の旅と自然の働きを一枚に重ねた、晩年の風景画である。
出典・画像について
画像:Nicolas Poussin《日の出を探す盲目のオリオン》/The Metropolitan Museum of Art / CC0
所蔵館提供のCC0画像。
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