1630~1631年
30代後半頃

アシュドドのペスト

画家 ニコラ・プッサン →
The Plague at Ashdod / ルーヴル美術館
アシュドドの町で病に倒れた人々と、壊れたダゴン像を描く。

何が描かれているか

旧約聖書では、ペリシテ人が契約の箱を奪い、神ダゴンの神殿へ置いた。翌日にはダゴン像が倒れ、やがて町に病が広がる。絵の奥には壊れた像、手前には倒れた人々と子どもが描かれる。鼻を押さえる人の仕草は、目では見えない悪臭まで伝える。題名は「ペスト」だが、ルーヴル美術館は病名の解釈に注意を促している。

作品の見どころ

画面を手前から奥へたどると、死者に気づく人々、逃げたり立ち止まったりする群衆、神殿の像が次々と見えてくる。建物の壁や道が奥行きを作り、一つの町全体に災厄が及んだと感じられる。倒れた像の頭と手は小さいが、物語の原因を示す手掛かりである。登場人物だけでなく、建築も出来事を読む順番を助けている。

制作背景

ルーヴル美術館は1630~1631年の作と記録する。1631年にプッサンがこの絵について証言した裁判記録があり、作品の制作や売却をたどる珍しい資料となる。同館の解説は、絵の主題を聖書の「サムエル記上」第五章に結びつけている。病の場面を描きながら、単なる恐怖の表現にとどまらず、細部で物語の前後を伝える作品である。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ルーヴル美術館(INV 7276)

出典・画像について

出典:ルーヴル美術館 作品記録(2026-09-25 確認)
画像:Nicolas Poussin《アシュドドのペスト》/Shonagon / Wikimedia Commons / Public Domain Mark
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-25 確認)
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