サビニの女たちの略奪
画家 ニコラ・プッサン →The Abduction of the Sabine Women / メトロポリタン美術館
ローマ建国の伝説にある、サビニ人女性の拉致を描く。
何が描かれているか
古代ローマ建国の伝説に取材した場面である。ローマ人は近隣のサビニ人を祭りへ招き、女性たちを無理やり連れ去ろうとした。左側でロムルスが衣を上げるのが、兵士たちへの合図である。群衆の中では人々が腕を伸ばし、逃げ、引き留められている。題名は伝統的だが、描かれるのは暴力的な拉致であり、祝祭ではない。
作品の見どころ
人物の衣の色を追うと、互いに交差する身体の動きが見えてくる。メトロポリタン美術館は、いくつかの人物群が古代彫刻を手本にしながら、舞台上の踊りのように配置されていると説明する。ただし整った構成に目を奪われても、女性たちの抵抗や逃走を見落としたくない。形の秩序と物語の暴力が同じ画面にある。
制作背景
メトロポリタン美術館が所蔵するのは、おそらく1633~1634年に描かれた版である。プッサンは人物の配置を考えるため、蝋の小像を小さな舞台のような箱に並べたと同館は伝える。ルーヴル美術館には1637~1638年頃の別版があり、制作年や構図を一緒に扱ってはいけない。このページではニューヨークの作品を紹介する。
出典・画像について
画像:Nicolas Poussin《サビニの女たちの略奪》/The Metropolitan Museum of Art / CC0
所蔵館提供のCC0画像。
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