1650年
56歳

自画像(ルーヴル版)

画家 ニコラ・プッサン →
Autoportrait / ルーヴル美術館
顔だけでなく、手、巻いた紙、背後の絵も見てみよう。画家が自分をどう示したかを考える自画像。

何が描かれているか

暗い衣を着たプッサンが、体を斜めに向けながら、顔をこちらへ向けている。手には赤いリボンで結んだ巻いた紙を持つ。背後には、額縁や別の絵が幾重にも重なっている。
背景の絵には、額に目のある飾りをつけた女性が見える。ルーヴルは、伝記作家ベッローリの説明に従って、この女性を絵画そのものを人の姿にした像として紹介している。

作品の見どころ

顔を照らす光に注目すると、眉、目、頬の起伏が、暗い服からはっきりと浮かび上がる。笑顔や大きな身振りを使わずに、静かに考え込むような印象をつくっている。
次に手元と背景を見比べよう。巻いた紙や絵の重なりが、顔の似姿だけでは終わらない内容を与える。自分の仕事や考え方まで一緒に示す肖像として眺めると、見る場所が増えてくる。

制作背景

1650年、友人で注文主でもあったポール・フレアール・ド・シャントルーのために描かれた。画面の銘文には、ローマで制作したことと、画家が56歳だったことが記されている。
プッサンの二つの自画像のうち、こちらはルーヴルにある作品だ。背景の女性や抱き寄せる手には、絵画への愛や友情に結びつける読みもある。意味を一つに決めず、注文主との関係も考えてみたい。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ルーヴル美術館
目録番号
INV 7302 / MR 2329
位置づけ
注文主との関係と画家の自己像

出典・画像について

出典:Louvre:Autoportrait(INV 7302)(2026-10-09 確認)
画像:Nicolas Poussin《自画像(ルーヴル版)》/自画像(ルーヴル版) — Nicolas Poussin / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-10-09 確認)
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