蛇に殺された男のいる風景
画家 ニコラ・プッサン →Landscape with a Man killed by a Snake / ロンドン・ナショナル・ギャラリー
蛇に襲われた男を見た人々へ、驚きが順に伝わる風景。
何が描かれているか
池のほとりに、蛇に襲われた男が倒れている。近くの男はそれを見て逃げ、少し離れた女性は逃げる男だけを見ている。さらに遠くの釣り人には、女性の姿しか見えないかもしれない。ロンドン・ナショナル・ギャラリーの説明に従うと、同じ出来事を全員が同時に知っているわけではない。見る人だけが画面の手前から奥まで見渡せる。
作品の見どころ
まず死者と蛇を探し、次に走る男、女性、遠くの人々へと視線を動かしたい。木々と明暗の切り替えが視線を奥へ導く。静かな風景のように見えて、各人物の知っていることが違うため、画面の中を知らせが伝わっていくような緊張がある。プッサンは風景を背景にせず、出来事を順に読むための空間にしている。
制作背景
所蔵館は1648年頃の作とし、注文主をパリの商人ジャン・ポワンテルとする。古代神話の特定の物語に当てはめる説もあったが、同館は細部が一致しないと説明する。蛇の多い地域に取材した可能性はあるものの、実際の場所や事件だと断定はできない。題名と画面に見えることを区別しながら見ると、風景画の物語性がよく分かる。
作品情報
所蔵
ロンドン・ナショナル・ギャラリー(NG5763)
出典・画像について
画像:Nicolas Poussin《蛇に殺された男のいる風景》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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