何が描かれているか
《四季》の冬は、旧約聖書の大洪水を描く。空は暗く、雨と増水した水の中で人々が助かろうとする。岸へ登る人、舟を頼る人、遠くに見えるノアの箱舟へ目を向ける人がいる。春の楽園や夏の麦畑とは違い、自然が人間の力を超える場面である。冬を雪ではなく洪水で表した選択にも、連作の特徴がある。
作品の見どころ
手前の人々の手足から、暗い水面、さらに遠くの舟へ視線を動かしたい。人物を一度に見渡しにくいほど、画面には不安が広がる。四季の絵を並べると、花、麦、ブドウ、雨という季節ごとのしるしが異なる。ここでは冬の雨が聖書の災害と重なり、風景は静かな背景ではなく出来事を動かす力になる。
制作背景
ルーヴル美術館は1660~1664年の《四季》の一点、所蔵番号INV 7306と記録する。同館は四枚の詳しい制作年と順番は不明とし、リシュリュー公のために描かれたと説明する。連作は1665年にルイ十四世のために取得された。四枚を一緒に見ると、プッサンが晩年に自然の変化と聖書の物語を結びつけたことが分かる。