何が描かれているか
木々の下に人が集まり、穀物を挽く人や飲み物を作る人が働いている。子どもから大人までが同じ場面に現れ、仕事と暮らしのつながりが見える。「シードル」はリンゴから作る飲み物で、北フランスのピカルディ地方の産物を思わせる。こちらもアミアンのピカルディ美術館の壁画に向けた習作で、実際の壁画そのものとは区別して見る必要がある。
作品の見どころ
左から右へ目を移すと、木の幹、人々の手、道具が少しずつ重なり、広い画面にリズムを作る。画家は誰か一人を主人公にする代わりに、共同で進む作業を見せた。鮮やかな色を全面に置かず、くすんだ緑や土色の中に衣服の色を点在させている。何をしているのかを順に探すと、遠くの人物まで一つの暮らしの場につながっていることに気づく。
制作背景
メトロポリタン美術館は1864年頃の、紙に油彩で描きキャンバスに貼った作品と記録する。同館によると《川》と組になり、壁画《ピカルディよ、恵みの地よ》の左右の場面を準備した。地域の自然と産物を、古い時代を思わせる理想化された情景として描いている。現実の農作業の記録写真のように読むより、公共の建物にふさわしい大きな物語へ変えた構成として見るとよい。