何が描かれているか
地面に眠る男性の上を、三人の女性像が空中で進む。現実の夜景に空想の姿が重なり、夢の中の出来事が画面に現れたように見える。1883年のサロンの説明では、眠る人物の前に「愛」「栄光」「富」が現れる主題だと示された。ただし、誰がどれに当たるかを画面だけから急いで決める必要はない。見上げる側と、夢に現れる側の距離をまず感じ取れる。
作品の見どころ
手前の暗い地面に寝そべる人物は小さく、青い空と白い衣をまとった女性たちに目が移る。三人の体は滑るように並び、羽や布の広がりが宙を進む動きを作る。木の枝が画面の左を区切り、夢が始まる場所と遠い水辺をつないでいる。明るい幻と暗い眠りの対照は強いが、姿の線は硬くなく、静かな夜の雰囲気を保つ。
制作背景
オルセー美術館は1883年の油彩画とし、サロンの出品目録に記された主題を紹介する。ピュヴィは公共壁画だけでなく、こうした独立した絵にも寓意を使った。寓意とは、抽象的な考えを人の姿などで示す方法である。ここでは夢の三人を実在の人物として扱わず、題名とサロンの説明に沿って読む。写真はCommonsのパブリックドメイン表示を確認した画像を用いている。