1871年
47歳頃

伝書鳩はと

画家 ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ →
Le Pigeon / オルセー美術館
黒い服の女性が胸元に鳩を抱き、もう一方の手を空へ上げる。

何が描かれているか

黒い服の女性が胸元に鳩を抱き、もう一方の手を空へ上げる。背後には雪をかぶったパリの街が広がる。《気球》で外へ知らせを送った都市が、今度は届いた知らせを受け取るように描かれている。鳩を襲おうとする鳥が空に現れ、消息が無事に届くまでの危うさも伝わる。二枚を対にすると、遠くへ向けた願いと、戻ってきた知らせが一つの物語になる。

作品の見どころ

女性はほぼ正面を向き、縦長の画面の中心に立つ。黒い衣服の大きな面が、白い雪と薄い空を際立たせる。鳩は小さく、見落とすと手の動きの意味が分かりにくい。足元から背景へ視線を移すと、都市の輪郭りんかくが遠くに続き、個人の表情と街全体の運命が結びつく。人物が大きく、街が小さい尺度の違いは、現実の景色より寓意を優先した構成だと示している。

制作背景

オルセー美術館は1871年の油彩ゆさい画と記録し、普仏戦争で包囲されたパリを象徴する女性と伝書鳩を説明する。1870年の《気球》の対作品である。ここで載せる写真はCommonsで撮影者RamaがCC BY-SA 2.0 Franceとして公開したものだ。背景の雪や鳩の位置を確かめながら、同じ女性像が二つの異なる時点をどうつないでいるかを比べてみたい。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩
所蔵
オルセー美術館

出典・画像について

出典:所蔵館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Pierre Puvis de Chavannes《伝書鳩》/Rama / Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0 France
画像の出典 / CC BY-SA 2.0 France(画像情報:2026-09-27 確認)
撮影者Rama。表示用に縮小・JPEG化。加工画像もCC BY-SA 2.0 Franceの条件で提供します。
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