1867~1870年頃
44歳頃

眠り(縮小版)

画家 ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ →
Sleep / メトロポリタン美術館
夕暮れの野原に人々が横たわり、母親に抱かれた子どもや老人も眠っている。

何が描かれているか

夕暮れの野原に人々が横たわり、母親に抱かれた子どもや老人も眠っている。働いた後の静けさが画面いっぱいに広がる一方、誰もこちらを見ないため、見ている側だけがその時間をそっと見守る。リール美術館にある1867年の大きな《眠り》を、ピュヴィが小さく描き直した版である。同じ題名でも所蔵館と大きさが異なることを押さえておきたい。

作品の見どころ

低い光が左の地平に残り、手前の暗い草地と遠くの明るい空を分ける。人の姿は一人ずつ独立しているようで、曲がった腕や脚がゆるい弧を作り、群れ全体に共通の呼吸を感じさせる。濃い影の部分に目が慣れると、眠る人の数や姿勢が少しずつ見えてくる。強い出来事を描かなくても、人物の配置と光だけで時間の流れを伝えられる。

制作背景

メトロポリタン美術館は制作年を1867~1870年頃とし、ローマの詩人ウェルギリウスの『アエネイス』の一節との関連を説明する。詩では戦争のさなかの短い休息が語られるが、この絵に戦闘場面はない。収穫後の共同の眠りとして描かれたことが重要だ。古典を参考にしながら、目の前に見える穏やかな集団へ変えた作品として味わいたい。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩ゆさい
所蔵
メトロポリタン美術館

出典・画像について

出典:所蔵館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Pierre Puvis de Chavannes《眠り(縮小版)》/The Metropolitan Museum of Art / CC0
画像の出典 / CC0 / Open Access(画像情報:2026-09-27 確認)
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