1510年頃
26〜27歳

アルバの聖母

画家 ラファエロ・サンツィオ
The Alba Madonna / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
直径94.5センチの円の中で、三人の頭、腕、脚、視線が途切れずにつながる。円形画は、四角い絵とは違い、角を使って人物を支えることができない。この作品では、身体の曲線と手の動きが円に沿って続く。画面の縁から内側へ、丸く視線を動かしてみたい。

何が描かれているか

地面に座るマリアのそばで、幼い洗礼者せんれいしゃヨハネがあしの十字架を差し出し、キリストが受け取る。所蔵館は、将来の磔刑たっけいを受け入れる意味と説明する。
三人の手と視線は十字架の周りへ集まる。穏やかな戸外の母子像に、これから起きる苦しみを示す小さな印が置かれている。

作品の見どころ

マリアは王座ではなく地面に座る「謙譲の聖母」である。高い地位を誇示せず、幼児たちと同じ低い場所を共有している。
円形の中で、足から衣、腕から頭へ曲線が続く。角のない画面と身体の流れが、三人を一つのまとまりとして見せる。円の外形は飾りではなく、人物の姿勢と見る人の目の動きを内側へ戻す、構成そのものの条件になっている。

制作背景

制作は1510年頃。もとは板に描かれたが、現在はカンヴァスへ移されており、絵を支える材料は制作当初のままではない。描かれた図像が同じでも、作品という物の歴史には大きな変更が含まれている。
縦長の《ヒワの聖母》《美しき女庭師》と比べると、同じ三人でも円形に合わせて身体の配置と視線の動きが変わる。

作品情報

寸法
直径94.5 cm
材質・技法
板からカンヴァスに移された油彩ゆさい
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート
目録
1937.1.24
形式
円形画

出典・画像について

画像:ラファエロアルバの聖母》/Raphael, The Alba Madonna, National Gallery of Art, Washington, Andrew W. Mellon Collection, 1937.1.24. CC0.
画像の出典 / CC0 1.0 / NGA Open Access(画像情報:2026-09-06 確認)
National Gallery of ArtのOpen Access画像を縮小し、円形作品の外側だけを透明化して表示しています。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

もっと知りたいラファエッロ
池上 英洋 著 / 東京美術
聖母子画、肖像画、素描、大規模壁画など、ラファエロの多彩な仕事を生涯とともに紹介する入門書です。
楽天ブックスで見る →