三人は静かに集まっているが、身体は止まっていない。振り向く姿、差し出す手、見上げる顔が続き、一つの動作のようにつながる。中央の三角形を見つけた後は、その輪郭の中で視線がどちらへ進むかを追いたい。整った構図と人のやわらかな動きが、同時に見えてくる。
何が描かれているか
戸外に聖母マリア、幼いキリスト、幼い洗礼者ヨハネが集まる。《美しき女庭師》は通称で、庭で働く女性の肖像ではない。
縦122センチ、横80センチのポプラ板に油彩で描かれた。人物が人の身体に近い大きさで感じられる縦長の作品である。
作品の見どころ
三人を収める大きな三角形は安定しているが、顔、手、視線の動きが人物を自然に結ぶ。整った形と親しい動作が両立している。まず全体の三角形を見てから手元へ近づくと、形の安定と人物同士の交流を一緒に確かめられる。
《ヒワの聖母》と同じ三人でも、身体の向きや手の届く方向は違う。ラファエロが一つの型を繰り返さず、関係を組み替えたことが分かる。
制作背景
制作は1507年。ラファエロが1504年末頃にフィレンツェへ移り、レオナルドの絵画やミケランジェロの彫刻を研究した時期にあたる。
中央へ人物をまとめる方法は、誰か一人の単純な模倣ではない。複数の表現を吸収し、自分の画面へ組み直した時期の作品である。フィレンツェでの学びと、自分の構成を育てる過程が重なる。
出典・画像について
画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:ラファエロ《美しき女庭師》/Raphael, La Belle Jardinière, Musée du Louvre. Photograph: Shonagon, via Wikimedia Commons.
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