1515年頃
31〜32歳頃

ビンド・アルトヴィーティの肖像

画家 ラファエロ・サンツィオ →
Bindo Altoviti / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
肩を越えて振り返る視線が、こちらとの距離を縮めます。

何が描かれているか

青い衣を着た青年が、肩越しにこちらを振り返っています。巻き毛は肩へ流れ、黒い帽子と緑の背景が顔を際立たせます。描かれているのはビンド・アルトヴィーティです。
身体は奥へ向いているのに、顔と目は見る人へ戻ってきます。正面から姿を整えた記念写真とは違い、呼びかけられて一瞬振り向いたような近さを感じさせる組み合わせです。

作品の見どころ

肩を覆う青は折れ目ごとに暗くなり、手前へ張り出しています。明るい頬や首と比べると、布の重さと肌のやわらかさが、同じ光で描き分けられていると分かります。
胸へ添えた手には、緑色の石を持つ金の指輪が見えます。小さな指輪や指先は、顔から肩へ動いた視線を受け止める場所にもなっています。表情だけでなく、手の置き方にも注目してみましょう。

制作背景

所蔵館は1515年頃の制作としています。この肖像はアルトヴィーティ本人が注文し、その後も長く一族のもとに伝わりました。ラファエロが特定の人物に向き合った作品として見られます。
背景には土地や職業を説明する建物や道具がなく、限られた色と身体の動きが中心になっています。肩越しの視線、胸の手、静かな口元を順にたどると、人物との出会い方そのものが見どころになります。

作品情報

材質・技法
板に油彩ゆさい
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
目録番号
1943.4.33
位置づけ
振り返る動きと近い距離を生む肖像。

出典・画像について

画像:Raphael《ビンド・アルトヴィーティの肖像》/ビンド・アルトヴィーティの肖像 — Raphael / National Gallery of Art, Washington
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-09 確認)
Courtesy National Gallery of Art, Washington。公式CC0の対象画像。
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