ヒワの聖母
画家 ラファエロ・サンツィオ →Madonna del Cardellino (Madonna of the Goldfinch) / ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
三人の身体は三角形にまとまり、その中心で小さな鳥が手渡されている。安定した形の中に、視線と手の動きが生まれている絵だ。最初に顔を一つずつ見るより、マリアの頭を頂点にして、二人の幼児へ線を下ろすように眺めると、人物のまとまりが分かりやすい。
何が描かれているか
聖母マリアの前で、幼い洗礼者ヨハネがキリストへヒワを差し出す。所蔵館は、この小鳥をキリストが将来受ける受難の予告と説明する。
ヨハネの手、小鳥、キリストの手、見守るマリアの視線がつながる。穏やかな幼児たちの交流に、未来の苦しみを示す印が置かれている。
作品の見どころ
三角形の人物構成には、フィレンツェで研究したレオナルドやミケランジェロとの関係が指摘される。これは所蔵館による様式比較である。
《美しき女庭師》と同じ三人でも、手や視線の結び方は異なる。安定した形の中で人物の関係をどう変えたかを比べられる。三角形は単なる輪郭ではなく、頭の高さや肩の傾き、幼児たちの位置によって穏やかな安定を生んでいる。
制作背景
作品は1506年2月以前に、ロレンツォ・ナーシの結婚に関連して制作されたと所蔵館は説明する。
ヴァザーリによれば、1547年の地滑りで建物が崩れ、絵は17片に割れたという。これは伝承として紹介される話で、現在の事故記録のようには断定できない。現在の画面は、大きな損傷と修復を経て残った作品でもある。
1547年の被災は伝承として残ります
ウフィツィ美術館は、地滑りで建物が崩れ、絵が17片に割れたという話をヴァザーリの記述として紹介しています。現代の事故記録と同じ確かさでは扱いません。
出典・画像について
画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:ラファエロ《ヒワの聖母》/Raphael, Madonna of the Goldfinch, Uffizi. Google Arts & Culture, via Wikimedia Commons.
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