聖ゲオルギウスと竜
画家 ラファエロ・サンツィオ →Saint George and the Dragon / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
勢いよく走る馬と竜の戦いが描かれているが、作品は縦28.5センチ、横21.5センチしかない。大画面に見える動きを、小さな板の中へ詰め込んだ絵である。画像だけでは分かりにくい実寸を思い浮かべると、槍、馬、竜、遠くの人物を整理した密度が見えてくる。
何が描かれているか
馬上の聖ゲオルギウスが槍で竜に立ち向かい、遠くには助けられる王女がいる。馬と槍の斜線が、低い位置の竜へ勢いよく向かう。
騎士の脚の青いガーターには、勲章の標語の冒頭「HONI」が見える。聖ゲオルギウスはガーター勲章の守護聖人でもある。物語の主役だけでなく、小さな文字までが作品の歴史的な背景を語っている。
作品の見どころ
実物の幅は21.5センチしかないが、戦いの動き、人物の距離、勲章の文字が収められている。小さな印が英国宮廷との関係を示す。拡大画像では見落としやすい実物の小ささを想像すると、限られた面積に細部を収めた密度も分かる。
まず馬の勢いと竜の位置を見て、次に青い帯へ近づくと、物語の動きと注文背景につながる細部を行き来できる。
制作背景
以前は英国王への直接の贈り物とされたが、現在の所蔵館は、王の使節ギルバート・タルボットのために作られたと説明する。
この訂正で英国との関係が消えるわけではない。作品中のガーターと標語は変わらず、更新されたのは注文相手についての理解である。
出典・画像について
画像:ラファエロ《聖ゲオルギウスと竜》/Raphael, Saint George and the Dragon, National Gallery of Art, Washington, Andrew W. Mellon Collection, 1937.1.26. CC0.
National Gallery of ArtのOpen Access画像を縮小して表示しています。
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