目を閉じた人物の顔と肩が、淡い青みのある空間に現れる。
何が描かれているか
目を閉じた人物の顔と肩が、淡い青みのある空間に現れる。下半分には水面のような水平の帯があり、胸元から下は見えない。眠っているのか、思いにふけっているのか、画面は明確に語らない。眼を閉じた顔を見ていると、こちらの視線が人物の内側へ届かないことに気づく。黒い幻想の作品とは違う静けさを持つ、ルドンの重要な油彩画である。
作品の見どころ
髪と顔の境には暗い色が置かれ、頬と首には柔らかな光が残る。顔の輪郭をたどったあと、下の横線を見ると、人物が実際に水に浸かるのか、背景の色の帯なのか判断が揺らぐ。大きな動きはなく、明暗の差も強すぎない。それでも閉じたまぶたに視線が集まるのは、顔の周りに広い空間があるからだ。人物を説明する物語を足さず、色と姿勢を見たい。
制作背景
オルセー美術館は1890年の油彩画として記録する。館の解説では、モデルを妻カミーユとみる可能性に触れているが、顔だけから断定はできない。同じ《閉じた眼》という題名には素描やリトグラフなど複数の版があり、ここに掲載するのはオルセー美術館所蔵の絵画である。別の版と混同しないため、技法と所蔵先も合わせて確かめたい。
出典・画像について
画像:Odilon Redon《閉じた眼》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。二次元複製の扱いには法域による留保がある。
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