1914年頃
74歳頃

キュクロプス

画家 オディロン・ルドン →
The Cyclops / クレラー=ミュラー美術館
丘の向こうに巨大な一つ目の顔が現れ、その下には花の中で横たわる女性がいる。

何が描かれているか

丘の向こうに巨大な一つ目の顔が現れ、その下には花の中で横たわる女性がいる。巨人はギリシャ神話のキュクロプス、ポリュフェモスで、女性は海のニンフ、ガラテイアとされる。巨人の視線は女性へ向かうが、二人の間には丘があり、直接触れ合わない。神話の恋を扱いながら、出来事を激しく動かすより、見る者と見られる者の距離を描いている。

作品の見どころ

巨人の眼は大きく、それでも顔全体は丘の陰に隠れる。下の女性は体を丸め、草花の色の中に溶けこむ。巨人と女性の大きさの差だけでなく、鮮やかな紫や赤と淡い肌の色の差も見たい。視線を女性から丘の上へ移すと、突然大きな眼と出会う。恐ろしさだけではなく、どこか好奇心やためらいも感じられるが、表情の意味を一つに定める必要はない。

制作背景

クレラー=ミュラー美術館は1914年頃の作品とし、厚紙に油彩ゆさいで描いて板に貼ったと記録する。神話上のポリュフェモスは別の物語では英雄オデュッセウスと戦うが、この絵はガラテイアとの関係を扱う。《異形のポリプ》にも「一つ目」の語が現れるものの、こちらは後年の色彩豊かな油彩画である。二作を同一の場面として説明しないようにしたい。

作品情報

材質・技法
板に貼った厚紙に油彩
所蔵
クレラー=ミュラー美術館

出典・画像について

画像:Odilon Redon《キュクロプス》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。二次元複製の扱いには法域による留保がある。
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