1882年
42歳頃

眼は奇妙な気球のように無限へ向かう

画家 オディロン・ルドン →
The Eye, Like a Strange Balloon Moves Towards Infinity / シカゴ美術館
巨大な眼が気球のように空へ浮かび、下には小さな籠がついている。

何が描かれているか

巨大な眼が気球のように空へ浮かび、下には小さな籠がついている。空と地上の間を上がっていく形は、人間の視線そのものが旅をするようにも見える。題名にある「無限」は、画面のどこかに描き込まれた場所ではない。眼の向かう先を見上げることで、絵の外まで想像が伸びる。奇怪な姿だが、細い綱と小さな籠が気球の仕組みを思わせる。

作品の見どころ

まず丸い眼の明るい部分と、その周りの黒い線の厚さを見たい。眼は生き物の器官でありながら、風を受ける球体にも見える。下の地面には植物のような形があり、上昇する眼を現実の風景につなぎ止める。白と黒だけの版画はんがでは、色の説明がない分、形の変化がはっきり伝わる。籠の小ささと眼の大きさを比べると、絵の中の尺度も揺らぐ。

制作背景

これはシカゴ美術館所蔵の1882年のリトグラフで、版画集『エドガー・ポーに』の第一図にあたる。詩や物語を連想させる題名だが、ポーの特定の一節をそのまま図解したと決めつけないほうがよい。同題に近い木炭素描そびょうもあるため、ここで見るのは1882年の版画版である。複数刷ることのできる版画で、ルドンの空想的な図像が広まった。

作品情報

材質・技法
紙にリトグラフ
所蔵
シカゴ美術館

出典・画像について

出典:シカゴ美術館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Odilon Redon《眼は奇妙な気球のように無限へ向かう》/Art Institute of Chicago / CC0
画像の出典 / CC0 / Open Access(画像情報:2026-09-27 確認)
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