1903年頃
63歳頃

花の雲

画家 オディロン・ルドン →
Flower Clouds / シカゴ美術館
小さな帆船が、赤、青、紫の色に包まれた水辺に浮かぶ。

何が描かれているか

小さな帆船が、赤、青、紫の色に包まれた水辺に浮かぶ。題名は《花の雲》だが、花束たばそのものが目の前に描かれているわけではない。雲、光、花を思わせる色の重なりが、船の周りに広がる。船に何人が乗っているか、どこへ向かうかははっきりしない。具体的な旅の説明を探すより、静かな船を中心に色が変わっていく様子を見たい。

作品の見どころ

白い帆と黒い船体が画面の下寄りにあり、周囲の色彩の中で形を保つ。帆の上では暗い青と明るい赤が入り交じり、奥行きを一つの遠近法えんきんほうでは測れない。水面の線を見つけると風景にも見えるが、少し離れると色の雲のような画面にもなる。パステルが紙の上に重なった質感は、輪郭りんかくを確定させるより、光がにじむ印象を作っている。

制作背景

シカゴ美術館は1903年頃のパステルと記録する。色のある紙に描かれ、こすりや刻み、筆の操作も含む複雑な技法が使われた。初期の黒い版画はんがにも空に浮かぶ眼や海辺の姿があったが、ここでは黒い線で奇妙な形を囲むより、色の広がりが主役になる。画家の変化を「暗い時期から明るい時期」だけで整理せず、海や空への関心の続きも見てみたい。

作品情報

材質・技法
紙にパステル
所蔵
シカゴ美術館

出典・画像について

出典:シカゴ美術館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Odilon Redon《花の雲》/Art Institute of Chicago / CC0
画像の出典 / CC0 / Open Access(画像情報:2026-09-27 確認)
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